1.治療法について
今までは、集団療法が最も効果があるとされてきました。実際アルコール依存症などでは、AAや断酒会が効果があり、通院・抗酒剤・自助グループが断酒の三本柱といわれています。
しかし、最近ではアルコール依存症治療で最先端を行く国立アルコール症久里浜病院では、認知療法や認知行動療法が行われるようになってきました。
体験を分かち合うだけの自助グループは継続できれば大変に効果があるものす。
しかし、継続率は低く、なかなか依存症と手が切れない人が多いのも事実です。これは「ギャンブル依存症」の世界でも同じことが言えます。
そこで登場したのが、認知行動療法です。依存症にかかった人は、認知がゆがんでいます。物事を客観的に見ることが難しいのです。
認知行動療法は一定のプログラムに従って、書き残すことと行動することを求められます。特に最近増えている若い年齢のギャンブル依存症の場合、認知行動療法と自助グループ(GA)併用することで効果が上がると思われます。
リカバリーサポートプログラムの特徴は、今まで治療介入が難しかった中間層の方を対象にしています。
認知行動療法と自助グループの併用は、入院治療や施設長期入所と違うメリットがあります。まず、生活の基盤を持ったままで治療できること。また家族関係を保ったまま治療できることがあげられます。依存症は「家族の病」といわれているように家族と良い関係を築くためにも、本人だけでなく家族のフォローアップが大切です。(地方の方は横浜周辺にマンスリーマンションなどを借りて治療する方法もあります)
入院や施設利用と比較すると、どちらも一長一短があり、その人の生活の状況・家族の対応・職場での問題などを総合的に考えて選択することがいいと思います。
アルコールプログラムでも、認知行動療法は始まったばかりです。依存症という根本の問題はアルコールでもギャンブルでも同じです。今後色々な回復の入り口が増えていくと思います。また入院が必要ですが、内観療法等も一定の効果を上げているようです。
全てを失う前に、早期に治療に取り掛かれれば、それだけ失う物も少なくなります。失う物はお金が問題ではありません。社会的信用・家族離散・失踪・最悪の場合は自殺です。出来るだけ早くに治療につなげる必要がありますが
「否認」の強い病気なので介入方法は非常に難しいです。本人がヘルプのサインを出したとき、周囲がそれにすばやく反応して治療に結びつけることです。
2.診断基準
DSM-IV 精神疾患の分類と診断の手引き.医学書院.高橋三郎ら訳 より
引用:
A. 以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される持続的で反復的な不適応的賭博行為。
(1)賭博にとらわれている(例:過去の賭博を生き生きと再体験すること、ハンディをつけることまたは次の賭の計画を立てること、または賭博をするための金銭を得る方法を考えることにとらわれている)。
(2)興奮を得たいがために、掛け金の額を増やして賭博をしたい欲求。
(3)賭博をするのを抑える、減らす、やめるなどの努力を繰り返し成功しなかったことがある。
(4)賭博をするのを減らしたり、またはやめたりすると落ち着かなくなる、またはいらいらする。
(5)問題から逃避する手段として、または不快な気分(例:無気力、罪悪感、不安、抑鬱)を解消する手段として賭博をする。
(6)賭博で金をすった後別の日にそれを取り戻しに帰ってくることが多い(失った金を”深追いすること”)。
(7)賭博へののめり込みを隠すために、家族、治療者、またはそれ以外の人に嘘をつく。
(8)賭博の資金を得るために、偽造、詐欺、窃盗、横領などの非合法的行為に手を染めたことがある。
(9)賭博のために、重要な人間関係、仕事、教育または職業上の機会を危険にさらし、または失ったことがある。
(10)賭博によって引き起こされた絶望的な経済状態を救うために、他人に金を出してくれるよう頼る。
B. その賭博行動は、躁病エピソードではうまく説明されない。